ともことその仲間たちが、バスケットゴールの隅にゴキブリを追い詰めて何かしてる。
先生が何も言えないのを良い事に、最近じゃ人目をはばからない…今日は流石に教頭には警戒したっぽいけどやる事はいつもと変わらない…いや、酷くなたか?
女子共は、かわるがわるゴキブリを囲む。
その姿は実に楽しそうだ。
「げ、蹴り? 流石にやばくね?」
勉は言うが、そのケツは根っこでも生えたみたいに座り込んだままだ。
「次、ゲームだ」
「ああ」
既に見慣れた光景。
俺は、また次の順番が回ってきたのでそのままバスケをする。
誰も、とめないし。
誰も、見ないし。
誰も、関わりたいくなし。
『普通』そうだろ?
ふつーに、何事もないみたいに授業して。
ふつーに、給食食べて。
ふつーに、帰って。
ふつーに、して何が悪い?
世の中じゃ『虐め』がばれたとき、周りの人間も悪いみたいに言うやついるけど俺から言わせれば自分になんのかかわりもない奴を助けるリスクを負ってまで平穏無事な普通を手放す奴なんているのかって聞きたいね。
