トモダチつくろう

 二時限目。

 体育は無事に授業を行った。


 体育館でバスケ。

 先生の代わりに来た教頭に見守られながら、俺達はバスケをする!

 俺はバスケは得意だ!
 
 だって、バスケ部だし自慢じゃないが俺は学年で一番背高いから誰もこのドリブルを止められない!

 部活と違ってシュート打ち放題なところが体育の授業の良いところだ!

 
 それは、3ゲームくらいして他のチームが試合を始めたころ。


 「みなさん、先生は少し職員室へ行ってきます。 すぐに他の先生が来ますので体育館から出ないように」

 それだけ言い残すと、教頭は足早に出て行ってしまった。

 
 あ、ヤバいな。

 それは、このクラスの誰もが思った事だろう。

 『先生』がいなくなると、すっとまるで空気が冷たくなるみたいにその場の雰囲気が重苦しくなる…少なくとも俺はいつもそう思っていた。

 「あーあーまただぜ? 飽きねぇなー」

 俺の隣で、暑いと言いながら体育着の上着をばたばたさせていた勉が顎でしゃくって向こうにめくばせる。

 
 ああ、いつもの後景だな。

 ゴキブリが踏みつけれれたそれだけだ。