「動機とかいうなら、被疑者死亡じゃどうしょうもないですよ?」
「いや……」
俺は、コーヒーに口をつける。
あの台所の戸は、明らかに外から目張りされていた。
誰がそんな事を?
俺はコーヒーを飲み干し包帯男についてのメモを確認する。
近くでカフェを経営していた外国籍の男がいたが、山川ともこに確認をさせる前にこんな事になってしまった。
そして、そのカフェはもう閉店していた。
近所の人によれば、娘と国に帰ったとか。
引き続き調査を続けるが、決定打にかける。
俺は余りにすっきりしない幕切れに、イラつきながら煙草に火をつけた。
