俺は慎重に家の廊下を進む。
と言っても、あまり大きくない家だすぐにその臭いの元凶にたどり着いた。
ガタッ! ガタッ!
玉城がその戸に手をかけるが、なにやら目張りされていて開かない。
「あれ? 開かない? 何だこれ?」
「貸せ」
バキン!
「うわ! また蹴破ったよこの人!」
呆れいる玉城を無視して、中に入る。
台所の床、食卓テーブルの側に何かワンピースのようなものを身に着けた子供が死んでいる。
すでに、蟲も沸いていて腐敗が酷い。
「ひ、ヒドイ……! 行方不明の子供なのか……?」
口元を抑えた玉城が、吐き気をこらえながら呟く。
「恐らくな……生存者がいないか探せ」
「はい……」
そそくさと玉城が廊下の奥に消えたのを確認して、俺は腐乱する死体をもう一度眺めた。
「山川……ともこ?」
その顔は、だいぶ腐敗が進んでいたが目元に見覚えがある。
「守れなかったか……」
包帯男。
山川ともこは、失踪前その『包帯男』なる人物に追われたと警察に届け出ていた。
