「近隣からの通報……異臭でしたよね? 全く、僕らにこんな仕事を回すなんて! 所轄に任せればいいのに!」
玉城が吐き捨てるように言う。
「これも、大事な仕事だ。 行くぞ」
俺は、インターフォンを鳴らす。
カチ。
「ん?」
「音、しませんね……故障かな?」
インターフォンを鳴らす俺の代わりに玉城がサッシの戸を叩く。
「すいませーーーん!」
返事はない。
ここには確か、祖父祖母、母親、子供の4人が住んでいる事になっている。
誰もいないのか?
「うっ!」
突然、玉城が口と鼻を覆い数歩下がる。
「どうした玉城?」
「うぇっ、ひ、酷い臭いです!」
臭い?
俺は、玉城のでかい図体を押しのけ戸に近づく。
「うっ!?」
コレは……!
俺は、問答無用で戸を蹴破る!
「あ、青沼さん!?」
「拳銃用意しろ」
「はぁ!?」
「念のためだ」
若い玉城はまだ場数が足りないから知らない。
コレは、人の腐乱臭だ。
