トモダチつくろう



 友子。

  友子。

 アタシの友達。

 アタシの所為で壊れちゃった可哀そうな子。


 ずるっ。


 クーラーボックスの『トモダチ』が、支えを無くして縁に寄りかかって頭の無い体でこっちを見てる。


 トモダチ。
  トモダチ。

 友子の作った肉の人形。

 
 馬鹿だな友子。

 こんな人形作ったって、喋りかけてなんてくれないのに。

 手だって握ってくれないのに。


 寂しかったんだよね?

 けどさ、友子のしたことは許せないし許されないよ。

 誰も。

  誰も。

 もし、警察に捕まって罪を償っても許してなんかくれない。

 一生。
 
  永遠に。


 ごめんね。

 だから、もう終わりにしよう。


 友子の顔が黒くなる。


 力も抜けて、鼻水と涎でキモチワルイ。


 「死ね。 死んじゃえ!」


 トモダチ。

  トモダチ。


 アタシの______ぶつ。


 「ぇ______?」


 熱い、お腹が熱い。

 ぶっつ!

  ぶっつ!

 「かふっ」 

 緩んだ手からシャワーのホースが抜け落ちて、友子の激しい咳と嗚咽が聞こえる。