「ひっ!」
アタシは這いずりながら風呂場に飛び込む!
ずるっ!
「_____っつ、あ?」
這いつくばった手がヌルついたものに滑って、アタシはタイルの床に突っ伏す!
なにこれ?
服に頬に手にべたつく赤黒い鉄さび臭い液体。
そこは赤黒い。
むせ返る血の匂い。
凍り付くような冷たさに吐きそうなくらいの腐った肉の臭い。
アタシの家に比べて、広めの風呂場その中央に大きなクーラーボックス。
そのすぐ隣には、高齢者が暮らしていたからなのか介護目的のものと思われる大き目の浴槽。
そこからあふれかえる黒い赤い液体が、白かっただろうタイルに広がって、広がって。
「急なお客様だったから、お掃除が間に合わなかったの」
アタシの背後で可愛らしい声が、ぽつりと言う。
「い、いやっつ!?」
背後の声が怖くて、アタシはタイルの床を情けなく這ってクーラーボックスの向こうへ逃げ込む!
「ともこちゃん」
ぺたっ。
ぺたっ。
「ともこちゃん」
ペタ。
「ともこちゃんになら私の『トモダチ』見せてあげる」
