「だからもう寂しくないよ。 ともこちゃんが謝らなくていいよ」
見開いた小さな目は、こっちをみているのにまるで作り物みたいに生きていない。
それよりも。
「今なんて言った?」
アタシの問いにアンタはカクンとくびをかしげる。
「なんで、アイツらの……今までいなくなった奴の名前が出てくんのよ?」
カクン。
玩具の人形みたいに首をかしげるその姿に、背筋が凍り付く!
石川の言葉が頭の中でぐるぐるして、体が冷たいのに流れ出す足の裏の血だけが熱い。
熱くて。
熱くて。
吐き気がする。
「ねぇ、なんで『けんちー』はこの家で押し入れに入れられてあんな事になってんの?」
脱衣所の床、血、なんでこんなに?
こんなのアタシだけのものじゃない。
「ねぇ、もしかして、アンタなんかした?」
きしっ。
脱衣所の床を太い足が踏む。
「ねぇ、ちゃんと答えてよ」
きしっ。
微笑んだままの顔は、首をかしげて手を伸ばす。
「もう少しなの。 もう少し……」
