「違うと思う」
脱衣所に響くキンっとした冷たい声。
「ともこちゃんに怖い事をしたその人の事は良く知らないけれど、私が嫌われるのはともこちゃんの所為じゃないよ」
ニキビまみれの顔がにっこりとぎこちなく笑う。
本当に知らないの?
「皆ね、私の事が嫌いの、ママもね私を見ると嫌な事しか思い出さないってお家を出て行っちゃたし、お婆ちゃんも死んじゃうまで私の所為でママが壊れたと言ってた」
母親が壊れた。
アタシはお父さんの言っていた『それにあの子の母親だってあの男の被害者じゃないか』という言葉を思い出した。
「_____!」
脳裏に浮かんだおぞましい想像。
まさか、この子の母親はあの男の被害者だったの?
だから、母親に疎まれて?
無意識に体が震える。
アタシ、何てこと!
お母さんが騒いで、酷い事になって、アタシが避けて、皆にそれが広がって、アンタを……アンタに……。
「私はいつも一人で、クラスの皆もゆうちゃんも友彦くんも月島さんもみーんな離れて行っちゃった。 けれど、今は『あの子』がいるから大丈夫」
え?
