「どうぞ、こちらのカウンターへ…」
カウンターの中に入った包帯さんが、手招きする。
古い感じのL字のカウンター…こういうの何だっけ?
レトロっていうのかな…ほかにもぼんやりだけど奥の方に同じような木でできた二人くらいが座れるテーブルが3っつくらい…とてもこじんまりとしていているお店だ…。
コトリ。
カウンターに座った私の前に花柄のティーカップと同じ花柄のお皿にクッキーが2枚。
「どうぞ、カモミールティーにヘーゼルナッツのクッキーでございます…温かいうちに」
雨ですっかり体が冷たくなっていた私は、ティーカップに口をつける。
「あったかい…」
ごくりと飲んだそれは、喉を通り過ぎてお腹の中で広がて鼻の中でとてもいい匂い…。
ぽたっ。
ぽたっ。
ああ、温かくなったらまた涙がでてきちゃう…。
「お辛かったですね…」
「ふっ…うぁ…」
包帯さんの包帯の手が私の頭をそっと撫でる。
「どうしてかな…どうして誰も私の側にいてくれないんだろう…お爺ちゃんもお婆ちゃんもママも学校の皆も…ゆうちゃん…ゆうちゃん…」
