その時は、お父さんが簡単に直してた……確か、水に入れるタイプの芳香剤がゴム栓に引っかかってたって言ったっかな?
「確か……」
アタシは、お父さんがやってたみたいにトイレのタンクのふたを少しだけずらして見えたボールの鎖をちょいちょい引っ張る。
こうして少しだけ動かせば、引っかかりも取れるはず。
ガコッ。
ガコッツ。
「う~ん」
上手く出来ない。
ぼこっ!
「あっ! あ~あ~……」
取れちゃった。
ボールの鎖を引っ張り過ぎたのがいけなかった!
浮きみたいな奴と、ゴム栓がタンクの中で外れたのが分かる。
となると、当然な事に水は流れっぱなしになるわけで……。
「しまった~」
変な事するんじゃなかった!
謝りに来てなんでトイレを壊しているんだアタシ!
「はぁ」
何もかも空回り。
その上こんな馬鹿なことして……取りあえず壊したことをちゃんと謝らなきゃ。
ゴン。
ガコン。
あ、タンクの中で水流に流されて浮きが壁面にぶつかる……なんだかチェーンと絡みそう。
