「ぁ、あの…ともこちゃん」
「…」
背後からなにか言ってきたけど無視。
何も答えないアタシの態度に、脂肪は黙り込んでとぼとぼついてくる。
15分。
そのくらいかかってようやくアタシの家が見えてきた。
「ともこ!」
家の門の前。
お母さんが、アタシを見つけて手を振る。
「ただいま…」
「ともこ、遅かったじゃない! 昨日の今日なんだから心配させないで!」
「ご、ごめん…ちょっと係の仕事片付けて…」
「係? こんな時にそんなことをさせるなんて! 後ですみ子先生に抗議しなきゃ!」
「お母さん。 すみ子先生は何日も休んでる…そんな事しなくていいよ」
「あら? こんな事件が重なっている時に? 最近の若い先生って無責任ね~」
明日にでも学校に電話しなきゃっと、言いながら門を開けたお母さんの視線がぼんやり突っ立っている脂肪に止まる。
「あら? ともこ、あの子…」
「え、そこであったから」
「そ…あなたもさっさとお家に帰りなさい」
お母さんにそう言われた脂肪は、ぎこちなくしながら暗い夜道をモソモソと引き返していく。
