「わ、ひどっ! なにしてんだよ石川!」
驚く春奈とは違って、この傷をつけた当の本人は顔色は青白いまま表情一つ変えない。
それどころか、鼻を鳴らして視線をそらして…笑った?!
「は?! 馬鹿にしてんのかよ!」
「…ククク」
「このっ…!」
バシッ!
ひっぱたいた石川が、踊り場の壁にぶつかる。
「おい! ともこ! なぐんのは不味いって!」
まだヘラヘラと笑う石川をさらに殴ろうとしたアタシを春奈が止めるけど…収まらない!
踊り場にへたり込んだ石川は、まだ笑ってる…まるでアイツと同じ…アタシを馬鹿にして…!
「と、ともこ! 止めろ! 止めろって! お、おい! 石川、何だか知らねーけど早く謝れ!」
アタシを抑える春奈が怒鳴るけど、石川はニヤニヤとしたまま…!
「石川ぁ! マジでとこもに謝れって!」
そらされていた視線が、カクンとアタシを見上げる。
「…謝るのはミカじゃない…アンタだよ…」
カスカスの声。
まるで、何時間もカラオケで叫んだ後みたいな掠れた声がガラガラとアタシに言う。
