トモダチつくろう


 それから暫く禿げ校長の微妙な慰めを小一時間聞聞かされた後、アタシはようやく教室に戻る事が出来たんだけど…。


 「ともこ!」

 「ともこ~」

 「警察の人来たんでしょ~どうだった?」

 「ねぇ! どんなこと話した?」


 アタシが教室に入るなり、クラスの皆が話を聞こうと群がる。


 「まて! まって…ね、ちゃんとはな_______」

 群がる烏合の衆の隙間、そいつは目の下にまっ青ざめた隈でアタシを睨む。


 「石川…」

 石川ミカ。

 アイツの家にプリントを持っていたばっかりにアタシは…!

 街灯にたらされたあの不気味な包帯の顔を思い出して、アタシは思わず身震いする。

 怖かった。

 殺されるんじゃないかと思って、本当に怖かった。

 それにアタシ…!
 
 腕に蘇る肉を刺した感触に、震えが止まらない!


 「おい…大丈夫かよ? ほら、お前ら散った散った! ともこ調子悪そうじゃん!」

 春奈が群がるクラスメイトを追い払う…たまには役に立つこともあるね。

 「…」

 注目を集めたのはいいけど、これとこれは別…また襲われるかもしれない…そう思うと。