ぽたっ。
ぽたっ。
っと、包帯でぐるぐる巻きの手の平から血が落ちて地面にひろがって…!
「いや…きゃああああああああああああ!!!」
アタシのあげた悲鳴にビクッと体を震わせたその人は、乱暴に割れた瓶を取り上げて引き抜いてその場を走り去っていく…!
た、助かったの?
アタシは震える手でスマホを取り出して、110番に連絡を入れた。
次の日。
どこから情報が漏れたのか、アタシが変質者に襲われたと言う話が学校中に広がっていた。
「ともこ! まじかよ? 学校来て大丈夫なのかよ?」
教室に入った瞬間、間髪入れずにうざい女が絡みつく。
「う、うん大丈夫だよ」
「変態と戦ったんだろ? 誘拐犯だったってマジかよ? よく逃げたな~」
「誘拐犯だなんて…まだそんなの分からないよ…それにこうしていられるのだってホント運が良かっただけだよ」
そうこうしている間に教室中から視線が集まって、みんな話を聞きたいと群がってくる。
ふふ。
あんな目にあったけど、なんだか注目されるむず痒さってゾクゾクして気持ちいい。
