はぁ…はぁ…!
怖い…!
後ろに、アタシの真後ろにいる…!
気配を感じる。
どうしてこんな事するの?
もしかして、コイツがアイツらをさらった誘拐犯?
じっとして動かない…こっちを、アタシを見てる!
情けなく地面に手をついたまま、ジリッ、ジリッっとゆっくり動く…無駄…こんなの無駄だと分かっていても逃げなきゃ!
アタシもさらわれるの?
それとも…殺される?
嫌だ!
殺されるのなんて嫌!
死にたくない!
「ぁ」
視線の先、電柱の光を浴びて割れたビール瓶?
どうしてだとか、なんでそんなところに落ちてるとかそんな疑問何て今はどうでもいい!
アタシはそれを手に取って、振り向きざまに突き付ける!
ざくっ!
手に感じる感触…何か…何かに刺さった。
重い…。
アタシはゆっくり目を開け______!
「ぁ ぁ ぁ」
街灯の灯りがそれを、その人を照らす。
包帯。
それは顔に包帯をぐるぐる巻きにした人。
その人の手にアタシ、割れた瓶のとがった所をざっくりとさしている。
