「前が! お前が! 前が! お前が! 前が! お前が! 前が! お前が!」
ブチッツ!
ブチチチッツ!
ブチッツ!
石川は、掻きむしっていた自分の髪をついには乱暴に引き抜く!
「ちょ、ちょっと?! は?! まって! キモイ! キモイって!!」
髪引きむしるとかありえない!
キモイ!
つか、こえーよ!
マジ頭おかしくなったのコイツ!?
その異常な行動に流石に恐怖を覚えたアタシは、ランドセルとトートバッグを抱えて逃げ出そうとドアに手をかける!
がしっつ!
髪を引きむしり続けていた石川が、横切ろうとしたアタシの腕を信じられない力で掴んできた!
「あやまれ…!」
髪の毛の絡む指が、アタシの手首に食い込む!
「は!? キモイ放せっつ! 放せってば!!」
アタシは、懸命に腕を振っ指を剥がそうとするけどビクともしない!
「アイツに謝れ! ゆっぽんとけんちーを返してよぉおおお!!」
「いい加減にしろ?! ちょっと! 放せはなせよ!!」
意味が分からない。
誰に謝れって?
