イラつく。
アタシは、日が落ち始めた歩道を自分の家と全くの正反対の方向にある石川の家に向けて歩く。
なにあの態度?
脂肪の癖に…!
「最近、生意気になったなぁ…もっと…」
そうこう考えている間に通学路から住宅地に入って、その中の一軒の家の前でアタシは足を止めた。
「ふん…ここか…」
そこは、よくある感じのj住宅密集地の二階建ての無理やりねじ込んだみたいな小さな庭のついた白い一軒家。
アタシはスマホの地図アプリを終了する。
石川ミカ。
今回、ウチのクラスから行方不明になった月島友華の金魚の糞。
特に、一緒につるんでたハーフの男子にたいするかわい子ぶってにゃんつくのがあり得ない。
はぁ、なんでそんな奴の為にアタシがプリント届けてやんなきゃなんないのよ…。
ピーンポーン。
アタシは、さっさと済まそうとドアの前まで行ってチャイムを鳴らす。
少し待つけど返事がない。
「…」
ピーンポーン。
「…」
ピーンポーン。
なんだよ!
出ねぇのかよ!!
