「月島さん?」

 「く、来るな!!」

 ボクは、後ろ手に指をかけていた戸の隙間を一気に引き後ろに一歩下がったが_____グリッ!

 「!?」

 足の裏に何か柔らかい物を踏み、バランスをボクはそのまま後ろに尻もちをつく!


 「な、なに…?」

 視界に入ったのは手…手!?

 「ケント!!」


 倒れている!

 そこに倒れていたのはケントだ!


 「ケント! ケントぉおお!!」

 ボクは懸命にケントをゆすったが、ピクリとも動かない!


 「ぁ、ちゃんと効いてたんだね…月島さんがぴんぴんしてるから紅茶に入れた分量を間違えたかと思ったよ」

 
 「こうちゃ…ぶんりょ…?」


 紅茶…そう言えはケントは一気に飲んで…?

 体中から一気に血の気が引く! 

 ミシッ。

   ミシッ。


 太い足が床を踏みながら、彼女がこちらに向かってくる…!

 逃げなきゃ!


 「ケント! ケント! 頼む! 起きてくれ!」


 ボクはケント腕を引くが、駄目だ!

 重すぎる!