トモダチつくろう

 顔に張りついた髪の隙間から覗く、小さな目が濡れる。

 何てことだ…!

 コレは自白。

 彼女は殿城・友彦…そして勉に何かした…勉の憶測がケントの読みが当たった…いや、本当はボクだって気が付いていた…信じたくなかった。

 それも含めてケントは…!

 「彼らは何処にいる? 一体あの3人に何をした?」

 「…」

 「答えてくれ! 彼らの親も心配している…何かしただろう? ボクがその薬を拾ったのはこの床だ…それは友彦の痛み止めだなんだろう?」

 「…」

 まるで感情を失ったがらんどうが、ぼんやりとボクを見上げてくびをかしげる。

 「友彦はここに来た…勉も…多分、殿城も…そうなんだろ?」

 「…」

 「…頼む…ボクらは友達だ、ボクは君が罪を犯したとしてもその関係を変えるつもりはない…」


 しんと静まり返る台所。

 ボクと彼女は向かい合ったまま、シンクに落ちる水の音と温かく広がる紅茶アールグレイに包まれる。


 「…ほんと…?」


 どの位そうしていただろう。

 数分かそこらだったと思うが、あまりに長い静寂に彼女の震える声が嬉しそうに泣く。