「ケントがすまないな…」
ボクは、乱暴に閉じた廊下への引き戸にビクッと肩を震わせた彼女に出来るだけ優しく話しかける。
「ううん…大丈夫…」
「…」
重苦しい沈黙。
余りの息苦しさに、ボクはティーカップの中身を一気に飲み干す。
…いつまでも黙っている訳にもいかない…。
せっかくケントが気を利かせて(?)二人きりにしてくれたんだ!
「コレ…」
ボクは持ってきていたポーチの中からソレを取り出す。
それは、この前ここで拾った小さなタブレットの錠剤だ。
「…これは君の物か?」
テーブルに置かれたそれを彼女は無表情に眺める。
「…なんでそんな事聞くの?」
「黙って答えてくれ」
じっと君を見るボクを君は見ようとしない。
「殿城と友彦…どこやった?」
「…」
俯ていた無表情な顔はゆっくりもたげ、がらんどうのような瞳でボクを見てほほ笑む。
「勉くんと同じこときくんだね」
ぽろっ。
ぽろ。
「どうして? 月島さんは_____と思ったのに」
