夕暮れ迫る空の下。
ボクとケントは、まるで今にもお化けが出そうな外観のボロ屋の前に並んで立つ。
「これ? アイツんち?」
「ああ、そうだ」
「今にも崩れそうじゃね?」
「安心しろ、中は清潔だ」
怪訝そうに眉を寄せるケントをしり目に、ボクは戸口に立ってインターホンを探して指を_______ガラッツ!
「え? 月島さん? …と、ローズウッド君?」
スライドした戸から怯えたように覗くのは見慣れた重度のニキビ面。
「二人ともどうしてうちに? って、月島さんその服…」
急な事に引きつった表情を浮かべていた彼女の表情がほころぶ。
「大切に着させてもらっているよ…」
ボクはふわりとターンして見せる。
彼女が縫ったドレスのようなワンピース。
裾が動きに合わせて広がって、足がスースーするのが気になるが…。
「…つーか、いつまでやってんだよ? 本題入れや」
3ターンほど回って見せるボクにケントが呆れたようにため息をつくと、じっと視線を足元に向けていた彼女がはっと顔を上げる。
