「どうして…月島さんも…なの?」
それはとても悲し気な震えた蚊の鳴くような声。
きっと、今の彼女の目にはボクがクラスの連中と同じに見えているのだろう…実に不愉快だがここで手を抜くわけにはいかない!
「よく考えるんだ、君のそれは人じゃないだろ? 語り掛けても何も返さないものに…いいや、妄想の中の都合のよい事しか返さないものなど『トモダチ』とは言わないそれは只の_____」
ブブブブ!
突如、ボクのポケットのスマホが震える…爺やか。
着信を強制的に切って時間を確認する…18:30…心配性め!
視線をあげれば、彼女はついにテーブルに顔を伏せ肩を震わせる。
まいったな…勘違いされたままとは頂けないが、早く帰らねば爺やに外出禁止を喰らってしまう…そうなれば本件の捜査に影響が出てしまう…仕方ない。
「ああ、もうこんな時間だ…今日は帰らせてもらう」
がたっと席を立ち、ボクは振り向かず家の玄関から外にでる。
外は夕日が紅く燃えるようだ。
取りあえず爺やに『今から帰る』とメールを打ちボクは足早に歩き出した。
