トモダチつくろう


 「そうか…それが君の『トモダチ』か…」

 …キモチワルイ…。

 ボクは改めて思う。

 人の趣味にをとやかく言うべきではない…分かっている。

 世の中にはいろんな人がいて、それこそ今や性別も多様で容姿も体形も違う。

 人は、それぞれその違いや考え方を対話などを通して受け入れる事が出来なくても尊重し理解を示し円滑に対人関係を形成すべきだ。


 それが、理想だ。

 けど、今この場でボクが彼女に抱いた感情もまた考え方の一つ。

 だから、仮にも彼女に『ヒミツノトモダチ』だなどと期待を持たせたボクは友人としてこの気持ちを伝えるべきだろう。


 「キモチワルイ」


 彼女の表情が凍り付く。

 
 「止めろよそんなの…キモチワルイ」

 そのまま彼女に賛同して、上辺を取り繕うのは簡単だけれどこんな状態の友人を放置できるほどボクは優しくはない!

 「キモチワルイ…君はそうしてこんな薄暗い家でそんなものとお話ごっこをしているのか?」

 彼女の髪の隙間からのぞく小さな目に涙が伝う。