「…早く目覚めないかしら」 これも本心だろうと察しがついた。 僕は勿論琳子も含め皆が願うのは一つ。 永遠の目覚めには早すぎる少女の覚醒。 目的は違えど麻奈とてそれは同じ。 僕は慣れた手つきでベッドの頭側を柵にかけてあるリモコンで上げていく。 腰にさした商売道具のポーチからカット用のハサミを取り出し、麻奈の発言も琳子の悲鳴も聞こえないものとして仕事に取り掛かった。 そうさ、僕はずるい。 受け入れられない事実も否定したい現実も月日と共にこんなにも容易く認められるんだ。