僕は運命なんて信じない。

 あの日からそう決めた。

 幹斗(かんと)と麻奈はお互いを想い合う仲のいいカップルだった。

 それがあの日、ゲームセンターで知り合ったらしい少女と幹斗との間で揉め事が起きたらしい。

 当時少女は9歳、こんな時間まで危ないよと幹斗から声をかけたらしい。

 それに逆上した少女が幹斗に因縁をつけ、走って店から出たらしい。

 それを幹斗が追いかけた、運悪く飛び出した先は道路で、ぶつかった車はトラックだった。

 追いかけてきた幹斗は少女を突き飛ばし庇ったが、少女は打ちどころ悪く意識不明。

 幹斗は事故が原因で命を落とした。

 それら全てを目の前で見ていた麻奈は、娘が事故にあっても病院にもこない少女の両親の代わりに少女の病室に通う様になった。