しばらく二人で漕いでいた。

周りの子供達は、キャッキャ言いながらブランコを漕ぐ女子大生二人を、不思議そうな顔で見つめてる。

それがまたおかしくて、二人顔を見合わせて笑った。

「美鈴。」

「うん?」

「昨日、拓海と話した。」

「うん。」

もう何も怖くなかった。

「ちゃんとね。ちゃんと振られたよ、拓海に。」

ブランコをゆったりと漕ぎながら、薫の顔を見た。

薫は穏やかな顔をして微笑んでいた。

「私もきちんと拓海に気持ち伝えられてすっきりしたっていうか。これで前に進めるって思った。」

「うん。」

「あとね、昨日思ったんだけど、拓海は美鈴と出会ってからすごく変わったような気がした。」

「変わった?」

「うん、きちんとね。相手の目を見て、相手の気持ちを感じながら話ししてくれた。前はそんなことなかったの。一緒にいても一緒にいないような空気感が漂ってて。それに、とても優しくなった。」

「そうなんだ。」

「きっとね、私はわかるの。きっと、それは拓海が美鈴と出会えたからだって。」

美鈴は黙って聞いていた。

「だからね、美鈴。安心して拓海のそばにいて。そして、拓海の力になってあげて。」

薫の目にはまた涙がいっぱいたまっていた。

「でね、私は美鈴の力になるから。辛い時はいつだって。」

「ありがとう、薫。大好きだよ。」

美鈴は、ブランコを漕ぐのをやめて薫の手を取った。

「私ね。拓海のためにしてあげたいことが一つあるの。それだけはなんだかしなくちゃってずっと思ってて。うまく言ったら一番に薫に報告するからね。」

「うん。きっとうまくいくよ。」

薫にそう言われたら本当にうまくいくような気がした。