「…自己紹介がまだだったね。ワタシは高等部三年の蘇陽 扇(そよう おうぎ)ここの皆からはソヨギと呼ばれている。アナタにぶつかったのは的井 七緒(まとい ななお)高等部一年だよ」
たぶん謝ってないだろうからとつけたし、ソヨギは困った様にほほ笑んだ。
「私は宇納 輝(うのう てる)だよぉ。テルって呼んでね。ソヨギと同じ三年生だよ。よろしくねぇ」
ゆっくりとしたテンポで話すテルに少女は小さくうなずいた。
「僕は早谷里 景(はやり けい)高等部二年だよ。ハリって呼ばれてるんだ」
「メジロは目代 己斐(めじろ こい)ハリにゃんと同じ二ねんせーでメジロってよばれてりゅにょん」
独特の話方をするツインテールのメジロにも会釈をし、少女は俯いた。
「この子、名前はすがやみとりっていうんですって」
興味薄なマトイの声に益々深く彼女は俯いた。



