縁〜サイダーと5円玉と君の靴ひも〜

みんなが帰って、理仁と在花の邪魔にならぬように私も1人外に出た。


行くところもないな…

あてもなく歩きながらふと思い立った。


「ちょんまげを見に行ってみよう」


私もちょんまげを見てドキドキしたい。

恋したい!


スポーツセンターへと急いだ。

フェンス越しにちょんまげを探すと、うちの学校の制服の男子を発見した。


メンバーはあの時と同じ、ガラの悪い集団だ。

ただ、制服を着た男子が2人いる…

誰?

目をこらしてじっと見る。


ゲーム中で、あちこち走り回るからよくわからない。

そういえば、陽色ってサッカー上手いのかな。授業のときのあのゴールは偶然?それとも、実力?

陽色のことが知りたくなるよ。


陽色が喋ると心がざわついて、陽色が触れた肩はまだ熱い。

陽色の眼鏡の奥の、本心が知りたいよ。

ちゃんと顔見て話したい…


今日の加瀬君、変だったな。

でも、陽色はどうしてあそこにいたのかな。

ああ、どうして私こんなに陽色のことばかりなんだろう。

瞳はサッカーをしている同じ制服の男子を追っている。

でも、さっきから心が追うのは1人だけ。