縁〜サイダーと5円玉と君の靴ひも〜

図書室でしばらく本を読んで、教室に戻るといいタイミングで先生が来た。


一日中、私は斜め前に座る委員長の背中を見つめながら、昨日のことを何度も思い出していた。


時々、悪寒が走ったかのように振り返る委員長と目が合わないようにだけ気を付けながら妄想三昧で私の一日は終わっていった。


と、思ったのだけど・・・


帰り道、またあの喫茶店を覗いてみた。

だけど、さすがに今日はいないのでちょっとがっかりしながら歩いていた。


すると、隣のクラスの女子3人組とすれ違った。


「ね、今の・・・絶対そうじゃない?」

「すごいもん見ちゃったね」

「ていうか、意外だよね、まさかあの子がね」



え?何、今の会話。

胸騒ぎがして3人が歩いてきた方向へ走っていくと委員長と藤本先生が手をつないで歩いていた。


なんでこんなとこ歩いているのよ・・・
無防備すぎるよ。


どうしよう。

追いかけて口止めする?
でも、なんで私が止めるのかってかんじだよね。

明日には噂になってしまう。

もう今LINEとかツイッターで広がってるかもしれない。

どうしよう・・・二人に教えたほうがいいのかな。


うろうろしていると、何か視線を感じて顔を上げると陽色がじっと見ていた。


「何してんの、怪しいぞ」


表情がわからない、けど大体想像はつく。

でも、今の私にとっては救世主。

「陽色」

駆け寄っていくと、口元だけで笑ったのがわかった。


「何?なんで笑ってんの?」

こっちはこんなにピンチだというのに。


「犬みたいだなと思って」

は?犬?


「バカみたいなこと言ってる場合じゃないの」

何から話せばいいのかと、悩んだけれど5円玉を拾ったところから話は始まり、とにかく今は委員長と藤本先生が大変ということまでを話した。


「マジ・・・びっくりだな」

「どうしよう、ね、どうしよう」


焦る私に、陽色は、

「まあ落ち着けって」

と、いったん私を座らせた。