汗が首筋にまで流れて、頬っぺたは赤くなっている。

息が切れていて、走ったせいで結んだ髪の毛が少しクタっとなって首筋に髪の毛が汗でくっついていた。


私達の隣を通り過ぎるとき、握りしめたてに力が入ったように少し色が変わっていた。


聞こえてたんじゃないかな。

何となくそう思った。


「ていうか、そんな可愛くないじゃんね。衣織みたいな美人系の方が絶対モテるじゃん?」

凛子の言葉に、


「そんなことないでしょ。でも、あいつの顔、私が男だったら無理」


鼻で笑った。


笑わなきゃ、そう意識すると無理やり口角は上がってきっと不自然な笑顔で、目は笑ってなくて…

でも、そんなこと二人は気づかない。

私がどんな反応しようと、どうでもいいんだから。



愛紗は色が白くて身長も155cmで、華奢な体つき。

大きな少しタレ目で、自前の長いまつ毛がチャームポイント?

笑うと少し大きな形のいい歯が見える。

私、正直言うと愛紗の顔は女子たちが言うほど、嫌いではない。

特に横顔がきれいだなって授業中によく思う。

ピンと伸びた背筋に、通った鼻筋と長いまつ毛、口角の上がった口。


顔に性格が表れるとしたら、いい娘なんじゃないかって、思うんだけどな。


そんなこと口が裂けても言えないけど。