ノラネコだって、夢くらいみる

 


___そんな気がしていた。

 そう、強く思いたかった、14の夏。

 だけど、この時の私は、なんにもわかっていなかった。

 この世には、希望より、はるか多くの絶望があるってことに。

 少し前の私だったら、そんなこと、考えなくても知っていたはずなのに。

 あまりにも素敵なことの連続で、浮かれていたのかもしれない。