「やっぱりこの子、鈴ちゃんなの…?」
モモが、声をひそめて言う。
「いちるとは、仕事で知り合ったの?うちの学校に来た逢阪社長、本物だったの?」
「………」
モモは、ぼっちな私に声をかけてくれた。一緒に遊びに連れて行ってくれた。
友達なんていらないと思っていた私に、友達と遊ぶ楽しさを教えてくれた。
さっきだって、小田木さんたちと仲良くする道もあったのに、嫌われるのを覚悟で、私のこと悪く言う彼女たちに反論してくれた。
そんなモモなら、信じられる。
今、私たちの会話を聞いている人はいない。…私は、小さく頷いた。
「そっか。ありがとう、ほんとのこと教えてくれて」
「ううん……ごめん、ウソついて」
「いいの。事情があったんでしょ?」
「まだ内緒にしてろって言われてる」
「わかった。それじゃ、私も内緒にしておく」
教室の隅っこで、そんな約束をかわした私たちの友情は、より一層深まった。
世の中捨てたもんじゃない、と思った。
誰かといるより一人で過ごす方がずっとラクだと思って過ごしてきたけれど、一人だと気づけないことがあって、それはとても大事なことなんじゃないかと思えた。
モモが、声をひそめて言う。
「いちるとは、仕事で知り合ったの?うちの学校に来た逢阪社長、本物だったの?」
「………」
モモは、ぼっちな私に声をかけてくれた。一緒に遊びに連れて行ってくれた。
友達なんていらないと思っていた私に、友達と遊ぶ楽しさを教えてくれた。
さっきだって、小田木さんたちと仲良くする道もあったのに、嫌われるのを覚悟で、私のこと悪く言う彼女たちに反論してくれた。
そんなモモなら、信じられる。
今、私たちの会話を聞いている人はいない。…私は、小さく頷いた。
「そっか。ありがとう、ほんとのこと教えてくれて」
「ううん……ごめん、ウソついて」
「いいの。事情があったんでしょ?」
「まだ内緒にしてろって言われてる」
「わかった。それじゃ、私も内緒にしておく」
教室の隅っこで、そんな約束をかわした私たちの友情は、より一層深まった。
世の中捨てたもんじゃない、と思った。
誰かといるより一人で過ごす方がずっとラクだと思って過ごしてきたけれど、一人だと気づけないことがあって、それはとても大事なことなんじゃないかと思えた。


