ノラネコだって、夢くらいみる


「おい、黒川」


 放課後、学校の校舎で、生徒指導の浅倉に呼び止められる。


「脱ぎなさい」

「センセイ、セクハラですよ」

「お前なぁ……バカなこと言ってないで校則を守りなさい」


 私が真っ白なセーラーワンピに羽織っていたのは、白×黒ボーダーのカーディガン。


「その髪留めだってなぁ」


 私の髪は腰まであるロングヘアー。色は漆黒。


 それを真っ赤なリボンのついたヘアゴムでツインテールにしていた。


「飾りのない黒、紺、茶のものを使いなさい。くくる位置は耳より下。それから、靴下は白。ワンポイント不可……全部、生徒手帳に書いてあるから、よく読みなさい」


 ニーソックスの色は、黒。

 それを絶対領域黄金比率に基づいて履く。それが私のポリシー。