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___翌朝
いちる宅にある、だけどいちるの物ではないベッドで、私は目を覚ました。
昨晩、日付的には今日だけれど、あれから夜遅くまでいちるとゲームをしているうちに眠くなり、この部屋に案内された。
ここは、客人用の部屋。
『社長が、よくうちで寝泊まりしててさぁ。ついにベッドまで置いちゃったんだよ』
自由すぎるあの男は、会社からほどよく近いいちるの家に、自分の寝床を確保してしまったそうだ。
こんな広いマンションに1人暮らしをしていれば空き部屋ができるのも不思議じゃないけれど、そこを利用するなんて、逢阪らしいというかなんと言うか。
それを受け入れてしまういちるも、ただものじゃない。
今何時だろう。いちるはまだ寝てるのかな。いちるの部屋は、ここの隣。
『好きだよ、鈴』
いちるからの告白が耳に残っている。なにせ人生で初めて告白されたのだから。それも、あんな天使みたいな人から。
寝返りをして___驚いた。
「いっ……いちる!?」
隣でいちるが寝ている。なんで?どうして?
いちるは、自分の部屋にあるベッドで寝ていたはずでしょう?