ノラネコだって、夢くらいみる

『仕事がおして、行けなくなった』

「………」

『聞いたよ。上手くいったみたいだな』

「………」

『どうした?疲れたのか?』

「身体は疲れてる。だるいっていうか。でも……」

『うん』

「…………面白かった」

『そうか』

「……またやりたい」

『任せろ』

「………よろしく」

『よろしくお願い致します、だろ。バーカ』

「バカって言った方がバカです」

『今日は寝ろ。また連絡する』

 今、何してる?まだお仕事してるの?

「……社長も、ちゃんと、寝て下さい」

『お前、もうそんな気のきいたこと言えるようになったのか』

 逢阪はそう言うと、微かに笑い、じゃーなと電話を切った。

 すると、さっきまで目が冴えていたのが嘘かのように、眠気が襲ってきた。
 
 目が覚めた時、今日のできごとが、夢でありませんように___