ノラネコだって、夢くらいみる

「これからお弁当、一緒に食べようよ。うちのクラスに来る?私が行ってもいいけど」

「え……」


 突然のことで戸惑いを隠せない。友達になりたい?この私と?


「家、どのあたり?一緒に帰ったりもしたいな」


 ぼっちの私に………友達ができた。


「あの、百瀬さん」

「さん付けは禁止だよ」

「じゃあ………モモ」

「ありがとう、鈴ちゃん」


 はじめての女友達。

 大地以外の同年代の子と関わるのは初めて。


「これから、恋の相談とかのってもらおうかな」


 いや……そんな話、私ができるはずない。


「そういえば、友達に聞いたんだけど。鈴ちゃんって逢阪竜也と知り合いなの?」


 え?


「この間、門のとこに逢阪竜也がいて。鈴ちゃんを拉致してったって、嘘みたいな話を聞いたの」


___『うちと契約したことは、しばらくは、内緒にしてろ。いいな?』

 私は逢阪との関係を口止めされていた。


「ああ、あれは……ソックリさんで」


 もっとまともな言い訳はできないのか、私。


「だよねー。逢阪竜也がこの学校に来るわけないよね」

「うん……」

「でも鈴ちゃん、そんなイケメンの知り合いいるんだね。紹介してよっ」

「………え?」

「なーんて、ウソウソ。私、まだ、日下くんのこと諦めてないから。もっと自分を磨いて、日下くんにもう一度告白しようと思ってる」