ノラネコだって、夢くらいみる

 と、その時___

 うしろから抱きしめられる。

「そんなもの、明日にでも叶えてやるよ」

「本当に?」

「嘘だと疑うなら、区役所行ってもいいけど」

「や、そんな、急すぎっ……」

「そのくらいマジって言いたいだけ」

「いつから?」

「は?」

「いつから、私のこと好きになってくれたの?」

「………さぁ」

「ずるい。ごまかさないで言ってよ」

「言うか」

「………」

「お前はまだまだ若いんだ。やりたいこと、全力でやれよ」

「オヤジくさい」

「オヤジだから」

「そんなカッコいいオヤジいないし」

「そりゃ、どうも」