ノラネコだって、夢くらいみる

 あなたがいいよと言ってくれたら、私は何倍も頑張れる。

「夢はどんどん口にしてみろ。叶うから」

「……そうなの?」

「俺は社長になる、と言ってなった男だ」

「そんな単純なものかな」

「たとえ誰1人賛同しなくても、俺はお前の夢なら全力で応援するさ」

「すっごく心強い」

「だろ」

「だったら……私が逢阪のお嫁さんになれるよう応援してくれる?」

「………」

 逢阪は、黙り込んでしまった。

 もしかして、寝た?このタイミングで普通寝る?

「逢阪、寝たの?」

 返事はない。

 明かりのない部屋。

 ……なによっ。口に出せば叶うんじゃなかったの?

 フン、と逢阪に背を向ける。もう寝る。