ノラネコだって、夢くらいみる

 布団にくるまり、天井をみつめる。

「ねぇ、逢阪」

「ん」

 そう返事をした逢阪は、今にも眠ってしまいそう。

「私、ずっと探してたんだと思う」

「なにを?」

「希望」

 絶望ばかりして、何事も退屈だって決めつけて生きてきたけど。そこに希望を願っていたのだと思う。

 だからこそ、見てみたくなった。ワクワクでキラキラしたセカイを。

「へぇ」

「絶望と希望は紙一重なんだよね」

「えらく難しいことを言うようになったな」

「希望って、絶望の中に隠れてたりするから」

「そうだな」

「知ってる?涙って、嬉しい時も出るって」

「……ああ」

「いいかな。まだまだ夢みても」

「いいんじゃないか」