ノラネコだって、夢くらいみる

 それから、大地とアルバムを一緒に見た。

 久々に会ったせいか、照れくさい。

「鈴。今……好きなやつとか、いんの?って…芸能人にそんなこと聞いていいかわかんねーけど」

「なに、いきなり」

「今でも鈴のこと好きだって言ったら……どうする?」

「困る」

「ハッキリ言うなぁ」

「………」

「いるんだ?好きなやつ」

「……うん」

「そうか。それなら、安心した。あっ…これ、別に誰かにバラそうとしてるとかじゃねーから。誰にも言わないから」

「わかってるよ。私、大地のことは信じてるから」

___〝信じている〟

 不思議とその言葉を、素直に言えた自分がいた。

 私はまだ人を、こうして、信じることができるんだ…。

「そうだ、昨日モモに会った。モモ、お母さんになってた」

「え?モモ………って、百瀬か?」

「うん」

「………」

 大地が、急にばつの悪そうな顔をして黙ってしまった。

「大地?どうしたの?」

「………いや。何か話した?」

「ごめんって言われた。それから、大地に会ってって」

「そっか」

「何かあったの?」

「………」

「大地?」