ノラネコだって、夢くらいみる

「鈴ちゃん…鈴ちゃん」

 …………!

 おばあちゃんの声で目が覚める。

「降りてきてくれるー?」

 なんだろう。おばあちゃんは私が起きるまで寝かせててくれることが、多いのに。

 1階のリビングに降りてギョっとする。

「鈴、久しぶり」

「大地っ……って…あああ!」

 慌てて2階に戻り、パジャマにカーディガンを羽織ってから、再びリビングまで降りてくる。

 そんな私を見て、大地が、ふっと笑う。

「別にいいだろ。俺相手に慌てなくても」

 ………だって、大地。見ない間に、妙に大人っぽくなっていて、別人みたいなんだもん。

 元々背は高かったけど、更に伸びてる。

「かっこよくなったね、大地。モテモテでしょ」

「お前、そんなこと言えるようになったんだな。ビックリだ」

「思ったこと言っただけ」

「近所なのに、全然会わないよな」

「だね。部屋あがってて。私、着替えてから行くから」