慣れてるのかな。慣れてるんだろうな。

 たとえフリだとしても、あんなに造作なく、ためらいもなく私に襲いかかるなんて……

 頭の中でさっき起きたことが何度もフラッシュバックする。
 
 もう少しで、唇が触れそうだった。思い出しただけで、身体が火照る。

「最悪っ………」 

 気づいてしまった。

 気づいたところで、どうしようもない。

 行き場のない想いに。

 

 私は、逢阪のことが、好きなんだ。