そしてその翌日。
一日遅れの転校生が私のクラスにやって来た。


「転校生を紹介する。東京から来た七海遵(ナツミジュン)だ、仲良くしてやれ」


顕奘さんは、あれから私を見ようとしない。というより私が怖くて目を合わせていない。


「あれっ!?きみは……」


後ろの方の席だった私は、ぼんやりしていて、その声に顔を向けた。


初めから興味もないのは失礼な話だけれど、気に留める余裕はなかった。


「まさか同じ学校で、同じクラスになるなんて!!」


昨日公園で会った男の子だ。
こんな漫画やドラマみたいな話、本当にあるんだ。


ふと、教壇に立つ顕奘さんの姿が視界に入る。


「なんだ、知り合いか」


「はい、ちょっと」


妙にはにかんだ表情に、顕奘さんの口元がひきつった気がした。


わざわざ隠すほどのこともないのに、誤解を招く意味深な態度だ。


「いろいろ、教えてくださいね」


皆さん、と付け加えないところがますます私との関係を怪しまれてるみたいだし。


こんな可愛い子と、もう仲良くなったなんて!!初恋の人はどうなってるの!?と。