あたしたちは閉園間際の遊園地に滑り込んだ。 「今からだとひとつぐらいしか乗れないけど何に乗るの?」 「観覧車に乗ろう」 亮君が観覧車なんて珍しい。 だって、ジェットコースターとかバイキングとか絶叫マシンが好きなのに。 あたしたちは観覧車の列に並ぶと、間もなく赤いゴンドラに乗り込んだ。 どんどん上っていくゴンドラの窓からは沈みかけた赤い夕暮れが見えた。 「…綺麗」 ビルの窓に反射した太陽の光もキラキラと輝いていて凄く綺麗だった。 きっと今まで見た夕暮れのなかで一番綺麗。