玲奈にとって、夢のような日々が続き、
ついに、その日を迎えた。
カケルのスマホには玲奈の命があと2時間しかないことが表示されていた。

その日、玲奈は大学からの帰りにコンビニに寄ろうとしていた。
水と雑誌を買うためだった。

コンビニの自動ドアの前に立ち、店内に入ろうとしていた彼女は突然、その手を引っ張られた。

「え!何?」

そう思う間もなく、彼女が入ろうしていたコンビニに一台の乗用車が猛スピードで突っ込んでいった。

「………!」

激しい音と、人々の悲鳴の中で、

「玲奈!来るんだ!」
その声と相変わらず握られた手を引かれるままに、玲那はその場を離れた。

「カケルさん?なんで?」
玲奈を、その場から連れ出したのはカケルだった。

「説明は後だ。とりあえず俺に付いて走れ!」

2人はしばらく走って、それから途中の雑居ビルのなかへ入った。

息を切らしながら玲奈は
「カケルさん…さっきのコンビニは…?」
「そのことは、もう考えなくていい。たぶん大変なのはこれからだ」
カケルはポケットからスマホを取り出すと、それを操作しながら画面を真剣な目で見つめた。
玲奈のカウントは止まっていない。やはり、これだけで決められた運命を変えることはできなかった。
次のリミットは1時間後。場所と死ぬ原因は?
それを調べようとしたカケルのスマホは突然、電源が切れた。
いや。止められたのだ。



そのころ死神2部1課では
「課長!大変です!黒崎が…」
相馬からの報告を笹山課長が受けていた。
そして、死神2部の手の空いている死神、全てに召集がかかった。

やがて天から黒い渦が地上へと向かった。その渦はカケルと玲奈を追っていた。