七月十七日、月曜日。
曇り後、雨、最高気温二三度。
少しジメジメしているが、今の私には丁度良いだろう。
今日で最後。
いよいよ私の復讐が終わる。
どうだったかな。
警察は私を疑っているのか。
でも証拠は全て隠滅した。
フフフ。
もうすぐ九時。
矢田月音が迎えに来る。
矢田月音の家でいいか。
二人きりになれそうだし。
親にバレそうになったら誤魔化すか、自殺しよう。
その時のシチュエーションに合わせる。
「や、山田さ〜ん…!私の家来ない?」
「私もそのつもりだった」
『やったー』と無邪気に喜ぶ。
どうでもいい。
私は無視して歩き続けた。
電車とバスを乗り継ぎ、着いたのは…。
「でっか…」
私でも驚くほどの豪邸。
矢田亜美咲が社長に引き取られたんじゃ…?
てことは母親もかなりの金持ち…だったり。
「さぁ入って」
「お、おじゃま…します……」
きつい芳香剤の香り。
これは異常だぞ。
家には誰もいない様子。
こんな広い家に一人で住んでいるのか…?
矢田月音に付いていくと、二階のある部屋に入った。