バカにするような言い方に、あたしはムッとする。
進藤くんはシャーペンを持って、ノートを開いた。
「……勉強?」
「そうです」
昼休みにまで勉強なんて、えらいな……。
頑張り屋さんなんだなぁ。
進藤くんはテストの順位は必ず一桁。それほど頭がいい。
あたしは見た目も平凡なら、頭も普通で。いつも中間辺りをうろちょろしている。
「それで?」
「え?」
「永井さんは何をしに来たんですか?」
「進藤くんを見に」
好きな人の隣、それはあたしにとって特等席。
隣にいるだけなのに、すごく幸せな気持ちになるのはどうしてなのかな。



