図書室に入り席に着いた進藤くんは、あたしのことなんて見ずに冷たく言う。


あたしは進藤くんの隣に座って、冷たくされてもニコニコと微笑む。




「爪、戻したんですね」




……こういうところが、好き。


進藤くんにとってあたしは風紀を乱す問題児なのに、気にかけてくれるところ。




「着飾るよりずっといい」




ボソッと呟いた進藤くんの言葉が、あたしの胸をキュンと高鳴らせる。


もう、大好き。


言い方がキツいなんて、あたしはちっとも思わない。



こんなにも素直で優しい人だって知ったら、きっと周りの女子は進藤くんのことを好きになっちゃう。


あたしが一番に気づいたのに、誰かに横取りされたら嫌だ。




「進藤くんは何しに来たの?」


「見てわかりませんか?」