進藤くんの良さは、あたしだけが知ってれば十分。
ライバルが増えたら嫌だもん。
「……何するんですか」
「ご、ごめんごめん!許して?ね?」
「誠心誠意謝ってください」
あたしの軽さに怒鳴る進藤くんから逃げるように、あたしはマニキュアを落としに女子トイレへ向かった。
――進藤くんと同じクラスになってまだ三ヶ月。
一年生の時は真面目だったあたし。もちろん校則違反なんてしたことがなかった。
だけど、進藤くんと出会って世界が変わったんだ。
たった一目見ただけなのに、運命なんてものを感じちゃったの。
真っ直ぐで責任感が強くて、女子からは怖がられているけど本当は優しくて。
そんな君に、一瞬で恋をしちゃったんだ。